永遠の黄昏の中で

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 真昼の太陽のように情熱的な言葉と共に、私の髪の一房にキスを落とす彼。  変わらぬ彼の愛情を嬉しいと思う――が、その反面、私の中に冷めた気持ちがあるのも確かだった。  彼のことを愛している。その気持ちは変わらない。けれども、すれ違いの結婚生活は、着実に私の中の何かを蝕みつつあった。  だから、その気持ちに蓋をする為に――この生活をこれからも続けていく為に、私は静かに口を開く。 「――さっきの話だけどね」 「ん? 後悔してるかってやつ?」 「そっちじゃなくて、惑星の方」  彼の手を優しく握りしめながら、私は言葉を紡ぎ続ける。 「そういう惑星は、昼の面と夜の面とで何百度も温度差ができてしまうから、おおよそ生物が棲める環境にはならないらしいの。――でも、色々な条件が重なると、惑星のほんの一部ではあるけど、生き物が棲める場所が出来上がるんだって」 「へぇ? どういう条件なんだ? 教えてくれよ」  以前に読んだ本の受け売りに、彼は心底感心したような声を上げる。  いつものことだ。今日は珍しく彼から雑学を披露したけれども、いつもは逆だ。  彼が分からないことを尋ねてきて、私がそれに答える。いつもそれで、私達は大概うまくいっていた――。
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