4人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
そんな彼女を落ち着かせようとするが無駄で。
しつこく、彼女は何度も何度も聞いていてくる。
冷静にさせるため、躊躇わせるために提案した性行為も二つ返事で返ってきた。
そして話は進んでしまい、今に至る。
少女にとって、この行為は目的のための手段で。
彼女の病的な殺人衝動は、今この瞬間にも破裂しそうなのだ。
既に、男から死にたいと相談してきた生徒のリストは受け取ってある。
自殺未遂を繰り返している子もいた。
その子を一番最初のターゲットに決め、どう殺していこうかを考えながら、少女は男の欲を受ける。
破瓜の際に零れた血、行為後の独特の匂いが混ざり、男の罪悪感を加速させる。
だが、少女の方は特に何も感じていないようでデオドラントシートで体を拭き取ると下着を着け始めていた。
「本当に、人を殺そうと思うの?」
「冗談だと思ったの? ここまでしておいて」
制服を着込む少女の後ろ姿。無感動な声だが、表情は見えない。
身支度を整えて出ていこうとする彼女の手を男が掴む。引き留めるために。
「やめよう、人殺しなんて。罪と後悔しか生まないよ」
男の言葉に少女は首を傾げた。
「罪って、悪いことでしょ。私は何も悪くない」
最初のコメントを投稿しよう!