二人だけの生活

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「・・・ありがとう…辰希さん」 私は彼の厚意を受け入れ、お礼を言った。 「それでいいんだよ…梓。それよりも生活に不便はないか?」 「え、あ…うん」 「俺…この間…お前が『帝商フーズ』の神戸社長と居るトコ見たんだけど…」 「あ…偶々…エルネで会っただけよ…」 「…でも、彼はお前の元カレだし。それに…同じマンションに住んでんだろ?」 「そうだけど…あれから会ってないわよ」 「・・・高屋副社長はいつまで寝てるんだろうな…このまま意識を戻さないつもりか?」 「それは…」 時折、動きがあるけど…それだけ。 このまま、意識が戻らず、亡くなってしまう可能性もあった。 でも、私と雅の命を護ってくれた愛しの旦那様。 後悔の無いよう意識の無い彼に尽くすだけ。
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