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私は気が動転していた。
「ゴメンなさい…」
私は急いで財布の中の雅の保険証カードと東亜の診察カードが入ってるか確かめた。
「ほら、後はママに抱っこして貰えっ」
浩明さんが私に雅を預けた。
「俺の車で東亜に向かうぞ」
「あ、はい…」
******
浩明さんの車で、私達は東亜の救命救急に向かった。
私が美波里さんに突き飛ばされ、捻挫した時も彼が私を東亜に連れて行ってくれた。
「ありがとう…浩明さん」
「…梓・・・しっかりしろっ。君は一人で雅君を育てているんだろ?」
「うん・・・」
「・・・雅樹の意識が戻るまで…一人で頑張るんじゃなかったのか?」
「私、これでも頑張っています…」
「頑張りは分かるけど…これじゃ一人にしておけないだろ?」
浩明さんはハンドルを操作しながら頼りない私を叱り飛ばす。
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