二人だけの生活

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救命救急の担当医は脳神経外科の伊集院先生の先輩ドクター・四宮諒(シノミヤリョウ)先生だった。 「貴方は高屋さん」 「四宮先生…」 「今日はどうされました?」 「息子が…」 息子はスヤスヤと泣きつかれ、私の腕の中で眠っていた。 「一瞬意識がなくなって・・・でも、直ぐに戻して泣き出した。 頭にたんこぶが出来てるし…まぁ、大丈夫だと思うけど…念の為に…頭のCTを撮りましょう」 四宮先生は東亜の脳神経科のエースドクター。彼の言葉で漠然とした不安もなくなった。 眠る息子を看護師に預けた。 私と浩明さんはCT室の前で撮影の終わりを待つ。
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