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立ち入り禁止の看板はその役目をサボりがちで、春奈と遥は自転車を乗り捨てたあとにその前を駆けていった。行手を阻むはずの柵は低かった。 「今がいちばん輝いてる」 夕陽を眺めて遥が呟く。崖が見下ろせるベンチだ。2人の景色が開けていた。 「わたし、何になろうかな?」 春奈が弾んだ声で言う。 「大学行くの?」 遥が尋ねた。春奈は彼女へ向かって強く頷く。 「そっか」
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