大嫌いなあの子の、パパ

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「みさとちゃん?」  相手が退く気配に、さらに体を押し付けた。そして首筋に顔を埋めたまま、言った。 「もっと……、気持ちよくして」  体に岩井の緊張が伝わった。断られると思った。 (当たり前じゃない。私、何言ってるんだろう。超恥ずかしい……)  照れ隠しに、クスッと鼻で笑った。「なーんてね」、そう言おうと腕をほどきかけた時、しっかりと抱きしめられた。髪に顔を埋めてきた岩井の唇が、耳をかすめた。  「じゃあ、覚悟して。おじさんはしつこいから」  低い声音が鼓膜に染み入り、それだけでゾクゾクっと背筋を戦慄が走った。  みさとが彼の肩口で頷くと、優しく腕が解かれた。岩井がわずかに距離をあけ、向かい合う。そっと外した眼鏡を、腕を伸ばしてラップトップの上に置いた。  みさとはその自然な動きを、伏せた目の端で見ていた。 「Tシャツ、脱がすよ」  岩井の両手が、シャツの左右の裾をゆっくりとめくり上げていく。恥ずかしさで耳を熱くさせているみさとの視界に、太腿が、水色のショーツが、おへそが現れていった。 「腕を上げて」
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