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髪色は明るく染めて、メイクしていることを気づかせないくらい上手にメイクして、ふんわりといい香りが漂っていて。着ているものは雑誌にそのまま掲載されそうなひらひらとしたスカートで。
わたしとはまるっきり逆の存在。
メイクだってちゃんとしたことはないし、着ているものは基本的にTシャツとパンツ、足元はスニーカーだ。下手したら高校生に間違われるだろう。
「すみません」
「いやいや。どうして謝るの。あ、っていうか、面倒だからこのまま敬語じゃなくてもいい? そういえばあそこのパン、甘いやつが美味いよね。俺もメロンパンとかクリームパンとかすごく好き」
叔父夫婦の店を褒めてもらっても、どんな風に返せば正解なのか分からない。
やはり逃げてしまえばよかったと、頭のなかを後悔が占めかける。
「あ、あの」
わたしはなけなしの勇気を振り絞った。
「どうして、わたしなんかに」
「え?」
「ツイッターで知り合ったひととは、よく会ったりするんですか?」
「あー、そうだね」
ぽりぽりと、彼は頬を掻いた。
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