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刻々と変化していく空を眺める。段々と真っ暗になってしまえば、もう、誰が誰か分からなくなってしまう。
わたしとくらげ青年の関係のようだ。あっという間に消えてしまう不安定な繋がり……。
「あれ? あおさん?」
そして、なんて都合のいい話なんだろう。
求めていた声がわたしの視界を一気に明るくする。目の前には、青いマウンテンバイクに跨がったくらげ青年がいた。
「暗い顔してるけど大丈夫?」
「あ、あの」
この前は自分が暗かったのに、そんなことなかったかのように、飄々と。
しかし今はその態度に救われた。
「仕事で、失敗、しちゃって」
「そうかぁ。そういうこともあるよ」
ぽんぽん、と頭ひとつ高いところから、くらげ青年が頭を撫でてきた。
瞬時にがちがちになっていた心が解きほぐれていくのが、自分でも分かった。
「俺もこれからバイトだから。夜、ツイッターでたっぷり聞くよ」
「は、はい」
颯爽とくらげ青年が走り去って行く。その後ろ姿を、見えなくなるまで見つめていた。
◆
【くらげ@ バおわ! あおさんもお疲れ!】
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