後篇

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 自室のベッドの上で横になっているとくらげ青年からダイレクトメッセージが届いた。わたしは慌ててスマートフォンを両手で持ち、うずくまって画面を見つめる。  無機質な文字がくらげ青年の明るい声で脳内再生される。 【あお@ お疲れさまです】 【くらげ@ ちょっとは落ち着いた?】 【あお@ はい。もう大丈夫です。みっともないところを見せてしまい、すみませんでした】 【くらげ@ それを言ったら俺の方がヤバイ 笑】  くらげ青年なりのフォローなのだろう。自然と笑みが零れた。 「優しい、なぁ」 【くらげ@ そうだ。ライブ後だと遅くなっちゃうから、別の日に飯でも行かない?】 「えぇっ!」  変な声が出てしまった。  ライブとは関係なく、くらげ青年と? 【あお@ わたしなんかでよければ】  それは、素直な気持ちだった。  どう断るか逡巡していたのが嘘のようだ。 【くらげ@ あおさんが、いいんだよ】  わたしが、いい?  その言葉にはなにが隠されているのだろう。  わたしはなにを隠せているんだろう。  この前さくらと一緒に買い物に行ったときの、紙袋に入ったままの、ガウチョに視線を遣った。 ◆
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