Q航空

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「ホントに?ホントにそれ貰えるの?」 このハイジャック犯はどこか緊張感がない。 「はい、クイズに正解して頂ければ小切手でお渡し出来ます」 戸惑いながらリーダー格の男がさらに質問する。 「クイズなの?そんなので二十五億もらっても良いの?俺たちここまで結構頑張って準備してきたんだけどなぁ」 「勿論利用規約上いくつか条件がございます。まずクイズは一問のみ、五名様で一度しか回答出来ません。それと正解不正解に関わらず、追放されます。ただし正解した際、小切手はきちんとお渡し致します。最後に今人質にとっているお客様の解放、そしてその拳銃をこちらに渡して頂く事です」 少し考えた後、 「うーん、まあ良いよ。こっちも人殺そうとしてた訳じゃないし。それにこの銃偽物だから。たとえ上空に放り出されてもお金もらえるなら問題ないしなぁ。あ、回答ボタンもって来た方が良い?」 「お願いします」 するとハイジャック犯は小尾田をあっさりと解放し、偽の銃を乗務員に手渡していそいそと回答ボタンを取りにいった。何とも間抜けな光景である。 「はい、もって来たよ。これであっち行けば良いのね」 「ありがとうございます、ご案内致します」 「ほら、お前らもちゃんと乗務員さんの言う事聞いて」 五人組が並んで司会アテンダントの後ろを大人しくついていき、回答スペースへ向かった。そして落下の際に必要なものを諸々装備した。 「それでは二十五億をかけたクイズを開始したいと思います!小切手はこちらにあります」
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