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そんな時。
夕飯の買出しのピークが始まる18時過ぎ頃にある女性が入店した。
少し小柄で、気取らないワンピース、お団子ヘアの、可愛らしい女の子。
僕は思わず目を奪われてしまった。
これが、ひとめぼれってヤツなんだろうか…顔が熱くて、胸のドキドキが止まらない。
レジに彼女が来ると手が震えて、いつもなら絶対にしないのにお釣りを落とした。
僕が僕じゃないみたいですごく変な感じがした。
「あ、すいません…」
気にしてませんよ言うようにペコッと会釈をされた。振り返り、去り際にフワッと香る甘い香水が、また僕の顔を熱くした。
その日は甘い香りが忘れられずに、あまり眠れぬ夜を過ごした。
翌日。
またシフトは昨日と同じく、夜担当。
18時を過ぎた頃、なんとまた彼女がやってきたのだ。
僕の胸はドクンと高鳴り、嬉しさと、恥ずかしさと…なんとも言えない感情が渦巻いていた。
また僕のレジに並ぶ彼女。
少しでも長く一緒にいたくて、お釣りの切れたフリをしてレジ前に引き止めた。
「お、お待たせしてっ、すみません…」
緊張して上手く話せない僕に対して、彼女は笑顔で「大丈夫で〜す」と言い、店をあとにした。
たったそれだけで、僕はもう羽が生えたかのように体がが軽くて、浮き足立っていた。
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