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毎日今日も仕事だった。
はやく休みがほしい。
そんな内容だったものが後半になると手帳の持ち主であろう女の人の苦しみを書いたようなものになっていた。
この手帳の持ち主の彼女はどうなったんだろう。
幸せになってるといいな。
すると悲しくもないのに涙が溢れた。
突然僕は誰かに抱きしめられた。
「誰だお前話せここは僕の家だぞ」
そう抵抗するも僕からは涙が溢れるだけでこの男の腕はピクリともしなかった。
だが僕を抱きしめてるこの男は泣いていた何故泣いているんだ。
そのうち「ゆずき。。」そう男はつぶやきだした。
「なんでお前が僕の名前を知ってるんだ。。」
そう聞くと男は変な事を言い出した。
「。。。だって君と僕は。。結婚しているからね。。ここは僕達の家だよ」
そんなはずないだって僕は男で。。。
「その手帳見つかったんだね。。。君の手帳。。」
僕の。。手帳。。?
「どういう事だ。。?
だってこれは僕じゃない女の手帳だぞ僕は男だ。」
いやもう気づいてたんだ僕。。
私は。
ただ思い出したくなくて気付きたくなくて。
「君は女だよ。
そしてその手帳は君の手帳。
君が自殺未遂をするまでの日々が綴られていただろ。。?
そして僕は君にプロポーズして君を追い込んだ最低な君のパートナーだよ。。
まだ思い出せない。。?
神様僕はいつまで愛する人を待てばいいんだ。。?
はやく帰ってきてくれ。。
神様はやく。。柚希を。。返して。。お願いだから」
あぁ全部思い出した。
私は最後のページを書いた次の日会社から飛び降りたんだ。
でも死ねないまま辛い記憶だけ閉じ込めて貴方をくるしめていたんだ。
私の記憶がなくなっても側にいてくれたのに私は怖くて貴方の側にいることを拒んだ。
そのせいで私は自分を男だと思い込んだ。
でも記憶は毎日リセットされて毎日貴方を不法侵入男だと騒いでも貴方は家に置いてくれて。。。。
「。。。ごめんね。。ずっと一人にさせて。。ただいま。。」
私は精一杯の笑顔でそう言った。
「。。。ゆずき。。?柚希記憶が戻ったのか?あぁあごめん柚希。。僕は柚希を追い詰めてあんな事に。。ごめん。。」
そう涙を流しながら謝る彼に私は胸を痛めた。
自分のせいで愛する人にこんな事を言わせてしまったこんな顔させたかったわけじゃないのに。
「あれは私が悪かったの。
だから泣かないで?
謝ってばかりじゃ感動の再会にできないじゃない。。?
ねぇ私ね。
こんなに時が経っても変わらない気持ちがあるのよ。」
グチャグチャの顔で静かに私の話を聞く彼を見ていたらいつの間にかキスをしていた。
「それはね。
貴方を愛しているって気持ち」
すると思いっきり抱きしめられた後に少ししょっぱい涙の味のキスが唇に落とされた。
「僕も記憶はなくなろうが僕を覚えてなくてもずっとずっと。。ずっと。。僕は柚希が好きだった今もこれからも愛しているよ。。」
死ぬ前に書いた婚姻届。
彼は出していたみたい。
でも記憶がない私との夫婦生活。
でもこれからは違う。
これからは失った時間を取り戻す。
今日から私と貴方の幸せな夫婦生活は始まる。
強く抱きしめらながらも私はもう彼を一人にはしない私は彼を生涯愛し続ける事を神に誓ったのだ。
これからは二人で幸せになるんだ。
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