1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…あなた、よく図書室に来ていますよね」
「あ、はい……」
まさか、先生の声を求めて居座っていますなんて言えるはずもなく。
「そういえば、古典の授業も、あなただけは真剣にやっていますね」
「えっ…」
「やる気のない生徒ばかりの中で、あんな熱視線を送られたら、気がつかないことはないですよ」
そんなこと言われたら、恥ずかしくて死んじゃう。
「すみません、今後はあまり見ないようにします……」
「べつに、見るなとは言ってません。生徒同様、やる気がないのはお互い様なので、あなたのような存在がいてくれた方が引き締まるので」
それって、褒められてる?
「褒めたつもりはありませんけど」
心を読まれた。
「授業はまじめに受けていますが、成績が伴っていませんものね」
「うう……」
だって、昔の文章って、日本語とは思えない言葉みたいなんだもん。英語みたいに、他国語って感じがするし。
最初のコメントを投稿しよう!