昼と夜

5/6
前へ
/8ページ
次へ
「っ……!」 「信じてもらえないかもしれません。どうやら、私はあなたとの間に子どもができるらしいのですが、今のままでは結ばれない世界になってしまうらしく、そうなると私もあなたも死んでしまうんだそうです」 「…?」 「嘘か本当かはわかりません。ただ、顔はあなたに、声は私によく似た少年がそう言ったので、従わざるを得ないかと」 「それ……」 そうか。わたしもぼんやりと覚えてる気がする。同い年くらいの男の子に何かを言われた夢を。 どこかで見たことがあると思ったのは、わたし自身の顔で、先生の声だったんだ。 「先生は、わたしと何をすればいいか知ってるんですか?」 「もしかして、あなたも夢を…?」 「はい。さっき、うたた寝していたときに見て、それで」 「そうですか。それで、授業料の話に戻しますけど……支払うのは、私との未来ということで」 「…あの、意味がちょっとわからないのですけど」 「物分かりの悪い子だな。死にたくないなら結婚して、夢に出てきた子どもを産むしかないんだよ」 「…え」 えええええ。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加