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「っ……!」
「信じてもらえないかもしれません。どうやら、私はあなたとの間に子どもができるらしいのですが、今のままでは結ばれない世界になってしまうらしく、そうなると私もあなたも死んでしまうんだそうです」
「…?」
「嘘か本当かはわかりません。ただ、顔はあなたに、声は私によく似た少年がそう言ったので、従わざるを得ないかと」
「それ……」
そうか。わたしもぼんやりと覚えてる気がする。同い年くらいの男の子に何かを言われた夢を。
どこかで見たことがあると思ったのは、わたし自身の顔で、先生の声だったんだ。
「先生は、わたしと何をすればいいか知ってるんですか?」
「もしかして、あなたも夢を…?」
「はい。さっき、うたた寝していたときに見て、それで」
「そうですか。それで、授業料の話に戻しますけど……支払うのは、私との未来ということで」
「…あの、意味がちょっとわからないのですけど」
「物分かりの悪い子だな。死にたくないなら結婚して、夢に出てきた子どもを産むしかないんだよ」
「…え」
えええええ。
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