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そんな二人の空気を一変させる音が告げられた。
部屋と廊下との襖が少々乱暴に開かれたのだ。
その音に、反射で二人は見ると、そこにいたのは妹が告げ口をした、父親が立っていた。
父は基本顔を変えず、無口で、いつもそのようなことで怖いとは思いもしなかったが、今は全身鳥肌が立つ程恐怖を覚えた。
「想一郎、来なさい」
静かな部屋に父親の声が響く。
足が竦んでしまい、思うように立ち上がることが出来ずにいると、その態度が気に入らなかったのか、一層険しい目をした。
「やれ」
短い命令口調が聞こえたと同時に急に後ろから口を塞がれる。
抵抗を出来ずにいると、視界がぐらっと揺れる。
あれ、いきなりどうした…ん…だ、ろ…………。
急に眠気のようなものを感じ、重たい瞼に抗えることが出来ず、想一郎はふと意識を手放した。
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