四.真夜中の蔵で

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…あれ、いつの間に寝ていたのだろう。 さくらと遊んでいたはずなのに。 そういえばさくらがあの時見ていただなんて。真夜中に催したからいけなかったのだ。無理やりにでも我慢しておけば良かった。 そしたら──。 段々と意識が覚醒していくうちに、何故か自分が揺れていることに気づく。 自分で揺らしている訳ではない。揺れている何かの上に乗っているようだ。 そうだと気づいたと同時に両手が後ろに纏められていることにも気づいた。それはまるであの時の満月のように縛られているような──。 「んんっあっあっ」 完全に意識がはっきりとした目の前で頬を染めた満月が仰向けになって揺れていた。 満月…? どうして、満月がいるの、と言葉にしようにも、口が何かに塞がれて、代わりに呻いているような声が出てきた。 何がどうしてこんなことに。 とは思ったものの自身の痛みと肛門の異物感に思考が遮られた。 「んぅんんっんーっ」 下から来る快楽に溺れたいのに、自身の痛みも同時に来る。 どうしてかと思い、下を向くと根元がきつく縄で縛られていた。 何でこんな酷いことを。 「…はぁ……そう、いちろー、君…やっと、起きて、くれ…たんだね……」 腰を揺らす速度を緩やかにした満月が息も絶え絶えにそう言ってきた。 緩やかにしないで。早く動かして。 そうと口では言ったものの発した言葉は「んんーっ!んーっ!」であった。 そんな想一郎に満月は困った顔をし、 「…想一郎君の、口枷も取ってあげたいのだけど、僕も、君と同じで、後ろで縛られていて、無理なんだ……」 ごめんね、と言った。 謝らなくていいから、このどうしようもないむず痒さをどうにかして欲しい。 そういう要求でさえ簡単には言えず、呻き声と涎が垂れていく。 「……ああ、そーいちろ、君、なぜ、君が、ここに、連れてこられたかは、知らないけど……きっと、僕のせい……。のだけど ッ!」 急に腰をさっきよりも早く揺すり動かす。 その度に二人の縄に繋げ股に通されている一本の縄が擦れて、よりむず痒さを感じ、逃れようとしても逃げられない。 「性器にッ!んっかゆくなるッんあっ塗られたからぁ!はぁはぁ…ぁ…!」 話をする余裕が無くなってしまったのか、必死に腰を振り続けていた。 「んーっ!んぅ!んんーー!!」 想一郎も満月の話を聞いておらず、求められているものに身を任せていた。 こういうことは全く知らず、初めてだが、こうしたらいいということが本能的に理解していた。 あとは、自身の縄が無ければ気持ち良くなれるのに。 もどかしい。 「あっああっ!い、うぅん!ああっ」 「ンンッ!んっんんっむぅ!」 気づけば想一郎も自ら腰を揺らし始めていた。 その時気づいたのだが、二人の両足の片足ずつ纏めて縛られていており、行動が制限されていた。 そのせいで激しく動くことが出来なかった。 (もっとッ!もっとしたいのに!) ただそのことだけが頭の中がいっぱいになり、どうにかして気持ちの良いところを探していた。 「あっ!イクッ!!イクーーーッ!!!」 「んっんーーーーーっ!」 満月が目を見開いて顔を仰け反って叫んだ。 想一郎は何のことかは分からなかったが、自身の中心に何かが集まったかのような錯覚と、肛門に挿れられているモノが脈打ったのを感じた。 ───が。 自身が張り詰めて痛んだぐらいで、終わってしまった。 恐らく満月も同じらしく、「なんでッ!イヤぁ!縄ッ解いてぇ!」と狂ったように叫んで、また腰を振り始めた。
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