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満月の舌が先端に触れられた刹那、今まで溜まっていた精液が満月の喉へと流し込まれる。
が、いつもより多いせいか、満月はむせ、想一郎のを口から離し、ほとんど畳の上に溢れてしまう。
「あぁ、想一郎君のが……」
咳込み、涙で目で濡らしながらも、溢れた精液を舐め始めた。
その音を立てながら舐めている姿が、とても艶かしく扇情的で、想一郎のがいつの間にかまた熱を持ち始める。
舐め終わった満月が見上げてきた。
想一郎の顔、ではなく、すっかり天に向いているモノを。
「また出そう?」
含み笑いをした満月が問いかける。
肩で息をしつつも、コクコクと頷くと満月は「仰向けになって」と要求してきた。
その意図が分からず仕舞いであったが、そう言われるがままにその態勢になる。
後ろ手が自分の体重に乗り、窮屈に思えたが、それよりもより強調的になったモノの方が、満月に見られていると思うと恥ずかしくなってきた。
(いつも見られているのに…)
そう思っている想一郎のモノを覆いかぶさるように、満月が想一郎の上に跨がってきた。
混乱していると、先端が肛門の出入り口付近に当たったかと思うと、狙いを定めたかのようにゆっくりと沈めていく。
「うぅん、んっ」
「はっあぁふぅんっ」
なんとも言えない感覚に感じてしまい、思わず声を出していると、満月も顔を赤くして呻いていた。
少しの間呻いていると全て入ったらしく、止めていた息を吐き出し、少々荒くなった息を整えていた。
その額にはうっすらと汗をかいていた。
白い肌をほんのりと染まらせ、さらに汗を流すその姿は、そのまま目に焼き付けておきたいと思うほど、目を奪われていた。
そんな想一郎に満月は微笑を向けた。
「態勢キツくさせちゃって、ごめんね。手が縛られていて、こうじゃないと挿れにくいから。それに、こうしたかったから」
「こう、したかった…?」
「初めて会った時から、君は僕に優しくしてくれた。とても嬉しかったんだ。生まれて初めてそうされたから。だから、あの時も今もお礼をしたんだ」
想一郎にとっては当たり前に満月のことを助けようとして、そうした行動だったのに、満月にとってはそれは当たり前じゃなかった。
だから、満月にとっての"お礼"をあの時もさっきもしてくれたのだろう。それと、恐らく今からも。
ふと、下腹部に冷たいものを感じた。
何だろうと顔を上げてみると。
満月の瞳からぽたぽたと涙を流していたのだ。
「僕っね……こんなっ……仕方しか、相手を…ヒクッ…喜ばせることを知らないッ!……だけど、一番、君を感じていられる!繋がっていると、思えるから……だから…ッ!」
そう涙ながらに言い終えると、嗚咽を漏らしながら泣いていた。
想一郎は驚いて、少しの間目を見開いて泣いている満月を見ていたが、少し笑みを含んだ顔をした。
「満月、何度もありがとう。僕はああいうことは知らなかったし、最初はびっくりしたけど、嬉しかったよ。気持ちがすっきりした。僕だったらどうしたらいいのか、分からなかった。本当にありがとうね。」
「そう、いちっろう…くん…」
「僕も満月といつまでも繋がっていたいし、疲れ果てるまで、君の気持ちを一心に受け止めたい。だから、もう泣かないで」
慈しむかのような顔で優しい口調で、囁くかのような言い方で言った。
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