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六.逃げた先に
いつもの人達と交わった後。
汗と白いモノまみれになった二人を畳の上にモノのように雑に投げやると、その人達は、一旦座敷牢から出ていく。
今は縄を解かれ、手も足も自由だ。
息も絶え絶えで歩く気力さえ無いが、いつまでもそんなことをしている場合じゃない。
隣で一緒に倒れていた満月に、小声で「今だ。行くよ」と声を掛ける。
その声に気づいて、少し顔を上げて返事代わりに小さく頷くとほぼ同時に手を、足を震わせつつも立ち上がる。
自然と手を取り合って、頷き合うと、開かれている扉を潜った。
座敷牢から出られた。次は蔵の扉。
ふらつきながらも、動かない足を無理矢理動かして、互いに急かし合いながら、扉の方へと急ぐ。
幸いなことに蔵の扉も開いていた。
あともう少しで──!
共に外へと一歩足を踏みしめた。
出られた!
ぱぁと晴れやかな表情をし、顔を見合わせた。
──かと、思っていた。
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