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その後の話:満月
─想一郎と引き離れた後─
「想一郎君ッ!想一郎君…ッ!」
「いつまでもうるせぇよ」
「…ぁ…っ…」
座敷牢に入れられた時、頬を殴られ、その反動で床に倒れた。
殴られた箇所が痛い。口の中が錆びた味が広がって不味い。
「そう、いちろー…くん……」
いつの間にか溢れていた涙を拭うことは出来ず、伝い、床に染みを作る。
(想一郎君は、どうなってしまうんだろう。…僕のせいで…)
そんな時。満月の口に、村人は丸めた布を入れようとしてきた。
いつもならされるがままだったが、口を強く閉じ、顔を背けた。
何度もかわし、その態度が気に入らなかったのか、「オイっ!誰かコイツを抑えろっ!」という荒げた声と共に後ろから髪を引っ張られ、無理やり起こされた。
「…痛っ………─っ!」
油断した。
口に詰め込められ、それを吐き出されないように違う布で縛られた。
声を出すことも封じられた。
それでも逃れようと出来るだけみじろくが、抵抗も虚しく、そのまま後ろから突っ込まれる。
「………んんっ!」
さっき中に出されたのもあって難なく入り、一気に奥まで挿れられ、激しく出し入れされる。
「…んっ!んふっ!んん!!」
(痛いッ痛いッ痛いッ)
中も切れ、血が出ているのかと思うぐらい、痛かった。
いつもそうなのに、今日は人一倍に痛い。
苦痛に歪めた顔をしていると、目の前の村人は愉快そうに笑っていた。
「痛いか?痛いだろうなぁ?外に出ようとしたのだから、悪い子にはお仕置きだよ、満月君?」
胸の突起部分を強くつねられる。
「んーーーっ!!」
大きく仰け反る。
「おおっ?感じているのかよ。ここがこんなにも勃っていやがって。お仕置きにならないな」
そう言って、今度は満月の中心部を強く握った。
「んぅっ!!」
硬く、今にも出したいのにその上根元をキツく縛られているせいで思うように出せない。
痛い。ただ痛い。
そうしていると、後ろのが熱いもので満たされた。
小さく呻いたのも聞こえたから、満月の中に出したのだろう。
汚される。
"想一郎のモノ"がどんどん上書きされていく。
嫌だ嫌だ。
嫌なのに、後ろ手に縛っている縄にまた違う縄が通され、その縄を梁に通し、強制的につま先立ちをされる。
もう、逃げられない。
「オイ、今度は俺にもヤらせろよ」
「もう一回出してからな」
「チッ、仕方ねーな」
出すな。もう、出すな。
塞がれているのにもかかわらず、くぐもった声を出していると、「じゃあ、俺はこのうるさい口を黙らせるわ」と口の拘束が解かれる。
が、何かを発するが前に、ガッと髪を掴まれ、無理やり下を向かされると、忌々しいモノを喉奥まで突っ込まれた。
「〜〜〜〜っ!!」
苦しい。声が、息が、上手く出来ない。汚い。
抗議を示すため、歯を立てようとするも、腰を激しく振る。
苦しくて、段々と涙が溢れてくる。
視界が揺れる。掴まれている髪が痛い。後ろも痛い。ただ痛い。
痛みでどうにかなりそうな時、後ろがまた流し込まれ、次に前も喉に直接、射精される。
「全部、飲み込めよ」
そう言われて必死になって飲み込もうとするが、上手く飲み込めない。
少しばかり口から白い液体が溢れる。
「下手くそが」
八つ当たりをするかのように頭を吹っ飛ばされ、目の前の者の自身からも解放された。
口の中がそれの苦いものが残っていて、気持ち悪くなる。
しかし、ここで吐き出したら、もっと酷いお仕置きをされると思い、どうにか流し込む。
ある程度口の中のモノが無くなり、新鮮な空気を吸っていると、突然、後ろの者が両膝の裏を持ち、強引に開かされた。
縛り付けられ出そうにも出せず、痛ましげに赤くなっている陰茎がより強調され、その姿が何とも卑猥で恥ずかしくなり、「や、やめて…」と弱々しい声で抗議していた。
「止めて、だって?止めるわけがないだろ。お仕置きはまだまだなんだからさぁ」
「ひぃ…ぁ…!」
言いながら、今度は裏筋辺りを親指で触られた。
「さわらな…っ!いっ…!!」
絶頂に達した感覚を覚え、背中を反らすが、気持ち良くがなるはずがない。
「イキたいッ!イキたい!いかせて!」
恥も顧みず、ボロボロと涙を零して懇願するが、そんな願いを聞いてくれるはずがない。
「イカせるわけがねーんだよっ!」
目の前にいる者が自身のモノを持ったかと思うと、今後ろの者が挿れている中へと怒りをぶつけるかのように無理やり挿れ込む。
「あ"あ"ぁーーー!!!」
断末魔のような叫びが部屋中に響き渡る。
今まで以上に言葉にし難い程、痛い。肛門が、いや、身体が引き裂かれるかのような感覚。
弱々しくも暴れている満月のことは気にもせず、前の者は奥へと突き進む。
「やっぱ、キツイな。でも、堪らないな」
「あぁ、俺また出そうだ」
「お前何回目だよ。かくいう俺も出そうだがなッ!」
ほぼ同時に小さく呻いたかと思うと、出された。
その時満月も達した感覚があったが、満月の場合は一滴も出せない。
気が狂いそうだ。
二人が一旦、満月の中から引き抜くと受け止めきれてない二人の精液が太腿に伝っていく。
「締まりがねぇ肛門だ」
パンッと尻を叩かれ、「…ぁ」と小さく喘いだ。
声を出すのもつま先立ちをするのもやっとなぐらい体力が消耗し、意識してないとふと瞼を閉じてしまっていた。
(でも、このまま寝てしまいたい。せめて、夢の中で想一郎君に会いたい)
そう思って、不意に閉じた瞼の裏で想一郎の笑顔を浮かべていると、邪魔をされた。
「寝ている暇はないよ、満月君〜。お仕置きはこれからなんだからさぁ」
頬を叩かれ、起こされる。
重たい瞼をどうにか開けると、目を疑った。
あの二人の他に三人も増えていたのだ。
何かの見間違いだと己に言い聞かせていることにした。
そんな満月の頬をすうっと触り、こう告げられた。
「楽しいお仕置きの始まりだ」
──蔵の中が、いかがわしい匂いで充満していた。
その中に床に蹲り、後ろ手は縛られたままの満月が横たわっていた。
身体中には何人とも交わり、出された汚らわしい白いモノと、赤く腫れた尻、その間から身体中のモノと同じのがだらしなく垂れていた。
どこもかしこも痛い。
かといって、それを和らげることは無い。
今度からは"お仕置き"と称して、毎日あの人達が飽きるまで、性行為をされる。
終わることのない地獄。
赦されることのない罪。
想一郎に出会わなければ、せめて、ここから逃げようとしなければ、今の状況が多少マシになっていたのだろうか。
想一郎と、まだ一緒にいられただろうか。
想一郎の温もりを、優しく、労ってくれる行為をしていたかった。
完全に渇ききっていたと思っていた目から涙が溢れる。
「そう、いち…ろ、くん……」
放心状態の、乾いた唇から愛しい名を、掠れた声で呟く。
もう二度と会えないかもしれないと思っていても。
いつまでも、会えるかもしれない、一抹の想いを込めて。
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