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「嘘…嘘だよね……」
ふらふらと立ち上がり、廊下へ出る。
「叔父さん…叔母さん……誰か、誰かいませんかっ?!」
廊下に敷かれた軟らかい絨毯に足をとられながらも急ぎ足で歩き、人を探す。
「何だようっせぇなー」
バンッと少し先の扉が開き、上半身裸の叔父さんが出てくる。
「あの…叔父さん……私の、お父さんとお母さんは…今も生きてますよね?」
…私…何でこんな事聞いてるんだろう…。お父さんもお母さんも、今はまた海外にお仕事に行ってるんだよね?そうだよね…叔父さん?
「はぁ?何言ってんだ?お前の親父もお袋も、お前の誕生日に死んじまっただろうが」
「……嘘…」
「嘘じゃないわよぉ~」
体にシーツを巻きつけた叔母さんが叔父さんの後ろから顔を覗かせて
「桜ちゃん、あなたのご両親は亡くなっちゃったのぉ。だから、アタシ達があなたの面倒を見てあげてるの。感謝してよねぇ?」
と言う。
「あ…あはは……叔父さんも叔母さんも…冗談言って私をびっくりさせようとしてるんだよね…?」
ねぇ…そうだよね?お父さんとお母さんが死ぬはずないもんね……
「しつけぇな!お前の両親は死んだんだよ!さっさと部屋に帰れ!」
叔父さんの怒鳴られ、私は走って自分の部屋に駆け込む。
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