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くしゃみの理由
「どうかしたの?」
「いや、ちょっと寒気がしただけだから」
風邪をひくような状況ではないのに、どうしたのかな。くしゃみが立て続けにとまらなかった。
「珍しいね、駒場さんなら病原菌も避けて通りそうなのに」
「理央、お前、俺のこと、何だと思ってる?」
「治療不可能な耐性の強い新種の菌類から組成されてる人の形をした生き物」
「お前なぁ~」
理央は約束通り、医学部の内部進学の枠を獲得してきた。
外部受験も勧めては見たけど、早く舞ちゃんとの時間を作りたかったらしくて、あまり興味は示さなかったっけ。相変わらず欲がない。
舞ちゃんがいなければ、医学部進学だって望まなかっただろうし。
スマホを見れば、沙菜ちゃんからのメールが入ってる。
写真付き。
うん、これはまた理央で遊べそうだ。
「舞ちゃんと今度会うの、いつ?制服デートするんだっけ?」
「絶対イヤだって言われてて。只今、説得中」
「ふ~ん?」
「なんで?」
訝し気にこちらを見る理央。
さて、どうやって遊ぼうか。
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