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駒場さんは独り暮らし。
初めて訪れた彼の部屋は、そんなに広くはないけど、キレイに片付いたセンスのいい部屋だった。
付き合いは短くないけど、家に行くのは初めてだったから、大人の空間を見せつけられた気がして、正直、少し気後れがしていた。
ただの策士ではないらしい。
僕らが着く前に舞ちゃんたちは到着済みだった。
沙菜ちゃんが鍵を持っていたから。。。。
ふ~ん。。。鍵、渡してるんだね。
僕はまだ舞ちゃんから鍵、貰ってないのに。
医学部が決まったご褒美の一つに追加しておこうかなって思う。
そう易々とは渡してくれそうにないけど。
お菓子やらアルコールは既に用意されて、キレイにお皿に盛られている。
駒場さんがピザをいくつかオーダーしていた。
僕と舞ちゃんにはソフトドリンクって、寂しい感じもしたけど。
早生まれの舞ちゃんは僕と同じ扱いだったから、ちょっと嬉しかったから、良しとしよう。
皆で乾杯して、沙菜ちゃんと結衣ちゃんがJ-POPの曲に合わせてダンスを披露してくれたりと予想以上の盛り上がり。
舞ちゃんはアメリカに居た時のヒット曲だから、振り付けが分からないとか言って、どうにかこうにか免除されていたけど。
舞ちゃんが制服姿で踊るとこ、見てみたかったのに。。。。
駒場さんはオタクのような掛け声と写真撮影をノリノリで担当していたし。
この人、何でもやるよな。。。。駒場さんこそ、器用貧乏じゃないかと思えてくるけど。
僕と舞ちゃんはダイニングテーブルの所に二人並んで、皆の様子を見ていたんだけど。
なんかそれだけって、ちょっとつまらなくない?
僕は隣の椅子に座る舞ちゃんの足に僕の足をからませてみた。
声を上げそうになるのを必死に抑えて、僕を睨む舞ちゃん。
テーブルクロスが掛けられているから、皆からは僕たちの様子は見られていないはず。
僕は素知らぬ顔をして、更にテーブルの下で舞ちゃんの手をとると、指までからませてみた。
舞ちゃんの顔は面白いくらい真っ赤になる。
「そんな顔してるとバレちゃうよ」
そう囁いたら、舞ちゃんはそっぽを向いて沙菜ちゃんたちの方に向き直る。
指を外そうとするから、もっと強く握りしめた。
間もなくすると、舞ちゃんは諦めたのか、そっと力を抜くのがわかる。
密着度、半端ないよね。とてもいい時間だ。
もう離すつもりはないから覚悟してね、舞ちゃん。
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