幸福の条件

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  ぼくの幸せ。お母さんとごはんをたべること。おきたときにお母さんがいること。あったかいおへやでイエローとねむること。   お母さんはおしごとが大変だってよくいう。何日かまえ、お母さんがイエローをつれてきた。おうちの近くに捨てられてたっていっていた。   やさしいお母さんはきっとこの小さな子をほうっておけなかったんだ。さみしいっていったぼくのためにも、お母さんはお友だちをつれてきてくれた。   ぼくはお母さんが大好き。大好き。大好きだから、ぼくはなんにもいわなかった。   あの日はぼくのごはんがなくて、テーブルの上のお金をもって外に出たんだ。もちろん一人じゃなくて、イエローもいっしょに。   雨がふっていて、とてもさむかった。ちかくのお店でかったスープをイエローと半分こにしてたべた。あったかくておいしかった。   おうちに帰ると、しらないおじちゃんがいた。でもおへやにはお母さんがいてにこにこしていた。   おじちゃんはぼくとイエローを車のうしろにのせて、お母さんと楽しそうにお話していた。   「どこにいくの」ってきいたら、「たのしいところ」って笑ってお母さんはいった。
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