オレの言葉に従え

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オレの言葉に従え

「鬼退師、チェンジ!」  俺の声に反応した腕時計は真っ赤な光を天に突き刺すように光った。それは光の柱そのものに見える。  あっという間に戦闘コスチュームに包まれた俺は、気づけば千佐の前に躍り出ていた。 「レッド!天が授けしこの力で、いざ参ります!」  すらりと鞘が抜け、日本刀が出てくる。正直剣道とかやったことない。だが、体はどうしてか剣道の構えをすんなりして、鬼を目の前にする。 『オレの言葉に従え』  頭に響いた声は聞いたことがなかったが、何故だかすんなりと聞き入れることが出来た。  謎の声が指示するまま、俺は千佐と鬼と戦い始める。走る早さも、剣を振るう力も、飛ぶ高さも、全て俺ではないかのようなものだった。  頭に響いた声の指示のまま動くと、鬼を倒すことが出来た。鬼からの攻撃もほとんど受けずに、軽い擦り傷くらいで済んだ。 「おつかれ」  千佐が俺の肩に手を置いて、声をかけてくれた。ほっとすると、変身が解除されて変身前の状態に戻る。 「初めてにしてはなかなかやるじゃん」 「いや、それが」  俺は千佐に変身してからのことを話すと、千佐は目を丸くしていた。 「それって、もしかして桃太郎?」 「はい?」  千佐が言っていることに俺は理解が出来なかった。 「聞いたことがある。桃太郎の直系の子孫にしか聞こえない声があるって......まさかあなたが?」 「桃太郎の直系じゃないだろ、俺は。だって先祖にそんな人はいないって」 「それが君にはまだ秘密があったんだ」
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