断れない提案

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玄関のチャイムに起こされて、重い瞼をゆっくりと開く。 怠くてはっきりしない思考を無理やり働かせる。 「あれ、俺なんで…琴!」 勢いよくベッドから起きると、玄関に走っていく。 玄関を開けると、目を大きく腫らした琴が女と一緒に立っていた。 「琴っ!大丈夫か!?」 琴を抱き上げて部屋に入ると、琴の体を確かめる。 「っ怪我は?嫌なことされなかったか?」 琴は俺の動揺に少し驚きながら、今日のことを話出す。 一緒にいた女は保育士だったようで、琴はクレープや服を買ってもらい、楽しく過ごしていたことが分かった。 安心したと同時に自分が裸だったことに気付く。 「っ、これは…」 慌てて苦しい言い訳をすると、琴は困ったように笑う。 その笑顔が愛おしくて、痛いほど強く抱き締めてしまった。
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