旦那様はお医者様

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「なんか……すみません」  ただでさえ昴があれこれ文句を言って中々決まらないのに、私までもが迷惑をかけているようで申し訳なく思った。 「謝らないで下さい! おめでたいことなんですから、ゆっくりじっくり決めましょう。詩さんがお気に召すドレスを着るのが1番ですが、夫婦円満を維持するためにはもちろん旦那様の好みも受け入れていくことも大切です」 「そうですが……」 「大丈夫! 最近は詩さんのようにスタイルのいい方がたくさんいるので、ドレスも豊富ですよ!」 「いや……決してスタイルがいいわけじゃ……」 「ウエストがキュッとしまっていて胸が大きいのは多くの女性の憧れですからね! そんなふうに美意識の高い方も多くいるので、こちらにお任せください!」  ウエスト細くて胸が大きいのがいい=美意識が高いって……は!? まさか、豊胸かと思われてるのか!?  たたたた確かに! 昔に比べて手軽に豊胸ができるようにはなったさ! バックを入れなくても注入だけでバストアップできるし、リスクもかなり低くなって、値段も昔より安くなった!  芸能人だけでなく、一般の人だって今じゃ当たり前に豊胸手術を受けたりする。  大学時代仲の良かった子で、別の病院に勤めた子がいるが、彼女は急性期病棟を退職して美容外科で働いている。時々連絡がきては、豊胸もけっこう多いからオペ入んなきゃなんだーなんて言っていたこともある。  で、でもでも、私のは天然だよ!?  好きでおっぱい大きくなったわけじゃないんだからね! 「こちらなんかどうでしょう」  いくつか用意されたドレス。着てみて、背中を調節されるとピッタリだった。 「あ……着やすいです」 「よかったです! こちらはお胸も圧迫されないので、皆さん安心して着られるんですよ」  安心ってなんだ!? 豊胸じゃないから潰れても心配なんかしないぞ!?
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