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私達は着替えを済ませた。ウェディングドレスももちろんいいけれど、カラードレスだって素敵だった。
明るい色が似合うと絶賛されたオレンジ色のドレス。普段オレンジなんて着ないからちょっと恥ずかしいけれど、プランナーさんがとても褒めてくれ、昴も私のドレス姿を凝視していたからきっと気に入ってくれたんだと思う。
私と昴の結婚式だから、1番はやっぱり昴に喜んでもらいたいわけで「……その……可愛いと、思う……」耳元でそうポツリと呟かれたら、もうそのドレスに決めるしかなかった。
全員が身なりを整えれば、気持ちは事故前の幸せモードに戻りつつあった。
お義父さんからの言葉を受け取った後、俊輔さんが幼い頃の昴のエピソードを話してくれた。
ちっちゃな昴は昔から口が悪かったようで、うちに来た小学3年生から変わらないなんて言うものだから、会場はどっと笑いに包まれた。
さすが、お調子者の武内先生のお父さんなだけあって、場の盛り上げ方がとても上手だった。
皆で写真を撮って、動画を見る。その動画は、同期皆で行った新人研修という名の旅行だった。病院が経費を半分出してくれ2泊3日の沖縄旅行へ行ったのだ。
千聖が何度もスマホを私に向けてずっと動画を撮っていたことを思い出した。こんなところで見せられるなんて思ってもいなくて急に恥ずかしくなる。
けれど、ほとんど身内しかいない披露宴ではそれくらいのものの方がアットホームな雰囲気らしく、皆喜んでくれた。
「なんでお前あいつらと旅行行ってんだよ。……俺も行きたかった」
なんて可愛いことを昴が言うから、思わず肩を揺らして笑ってしまった。
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