旦那様はお医者様

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「ねぇ、この映像後でもらえるかな?」  皆が映像に夢中になっている中、私はこそっと昴に耳打ちした。 「は? もらってどうすんだよ」 「欲しい」 「なんで」 「欲しい、欲しい」 「だからなんでだよ」 「ブレザー姿の昴と武内先生だよ? ……興奮する」 「すんな、やめろ。お前俺との結婚式だっていう自覚はあるんだろうな」  大きな目を更に大きくさせ、額に青筋を浮かべている。  わぁ……出会ったばかりの頃よく見た顔だぁ。でもこんな顔してても美形は美形なんだから配置や形って本当に大事なんだとよくわかる。 「あるよー。でもほら見てよ」  武内先生が後ろから昴に覆い被さるようにして抱きついている。身長差から重そうに顔をしかめている昴に、とんでもなく笑顔の武内先生。  この頃には眼鏡もかけていなくて、キラキラした美しい瞳が余計に2人をお似合いにさせる。といっても今日も眼鏡はかけていないのだけれど。  もうどこからどう見てもBLじゃないか。理沙子さん、私の趣味知っててこれ用意したんじゃないかって思っちゃうよね。そうだとしたら最高のプレゼントだわ。 「いつもの保じゃねぇか」 「いつもあんなにイチャイチャしてたの?」 「イチャ……!? してねぇよ、あれはアイツが勝手に」  昴が言ってる途中で、ネクタイを緩める昴。胸元がすっと開いて、私はごくりと喉を鳴らした。  こ、これは……。  理沙子さん、是非とも買い取らせていただきます!  興奮しそうになるのを必死に耐える私。まさかこのままハルとおっ始めようとしてるんじゃ……  ギュッーー 「いだぁっ」  久しぶりに頬をつねられた。隣の旦那様に。
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