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途中から目隠しされて連れて来られたのは、とても古いビルの一室でした。ここがいったいどこなのか……この部屋のカーテンは閉め切られ、外の様子を知ることは出来ません。
「素直についてきてくださって助かりましたよ。少しだけ私達のお手伝いをしていただければ貴方達はすぐに帰してあげますから。」
お手伝い……?この人たちは私達にいったい何をさせようというのでしょうか?
恐怖で震えていると、そんな私を見て一人の男性がニヤニヤと笑っています。悔しい、だけどどうする事も出来ない。私は自分の非力さにただ項垂れることしか出来なくて……
「私達は大事な話があるので、少しここで大人しくしていてくださいね。」
そう言って部屋を出ていく男性達。彼らが別の部屋に移動してくれた事でやっと顔を上げることが出来ました。
すると一緒に連れて来られた女性が私に近付いてきて……
「貴女が二階堂 柚瑠木さんの奥さん、二階堂 月菜さんよね?」
この女性は何故私と柚瑠木さんのことを知っていらっしゃるのでしょう?こんなに華やかな女性一度見たら忘れるはずがありません。間違いなくこの方とは初対面のはずです。
「あの、私は……」
さっき騙されたこともあり、誰を信じていいのか分からなくなってしまった私は上手く返事が出来ませんでした。けれど女性は全く怒る様子も見せず、私の手に持った鍵を見て静かに頷いたのです。
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