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「柚瑠木さんが困る?もう少し詳しく話を聞いてもいいかしら、貴女が話したことを他の誰かに話したりはしないわ。」
香津美さんの言葉を信じ、私は素直に柚瑠木さんとの出来事を話す事にしました。
今日の料理教室の話をした時に、柚瑠木さんが少しだけヤキモチを妬いてくれた事。私が彼に抱きしめて欲しいと望んだら、優しく抱きしめてくれた事。
……そして柚瑠木さんの事をもっと知りたい、貴方の事を教えて欲しいと彼に頼んだ時に拒絶されてしまったこと。
「私がこんなに強くなると分かっていたら、妻には選ばなかった……と。」
思い出してまた涙が溢れそうになりました。差し出されたティッシュで涙を拭いて、お礼を言おうと香津美さんを見上げると……
「柚瑠木さんはとても不器用な男性なんだと思うわ。これから先も彼と一緒に居れば辛いことが多いかもしれない、それでも月菜さんはこのまま彼に尽くしていくの?」
香津美さんは本当に私を心配してくれているんだと思います。確かに柚瑠木さんと一緒に居ると辛い事もあります。彼の言葉に傷付くことも少なくはないです。
だけど……
「柚瑠木さんは小さな嬉しいも私に沢山くれるんです……!だから、まだ柚瑠木さんの事を諦められません。」
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