契約結婚を終える時には…

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 この年まで全く経験の無かった私、もちろんそんな事は柚瑠木(ゆるぎ)さんに言葉にされるまで全く分かっていませんでした。それほどまでに彼に強く求めていられている事も。  その事は嬉しいのですが、やはり恥ずかしくなってしまい俯いてしまいます。でもそんな私の態度を見て、柚瑠木さんはため息をついて…… 「……月菜(つきな)さんが嫌なのならば言ってください。勝手に僕だけがその気になっているなんて恥ずかしいですから。」 「い、嫌じゃありません!私だって早く……」  途中まで言いかけて、慌てて手で口を押さえました。私は何という事を口にしようとしていたのでしょう、早く柚瑠木さんに……だなんて。 「月菜さんだって早く……どうして欲しいんですか?」  柚瑠木さんが拳を作って口に当て、笑いそうになるのを誤魔化そうとしているのが分かります。私が何を言いかけたのか分かっているくせに、そうやってわざと聞いてくるなんて。 「柚瑠木さんは意地悪です!」  そうやって怒ってみせると、柚瑠木さんは我慢出来ないと言うように顔を逸らして肩を震わせます。でも、そんな彼の頬と耳がうっすら赤く染まっている事に気付いて……   「柚瑠木さん、もしかしてテレているのですか?」  まさかと思いながらもそう聞いてみると、柚瑠木さんはゆっくりとこっちを向いて。 「……いけませんか?僕だって月菜さんの可愛い反応に、何も感じていないわけじゃないんですから。」
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