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契約結婚とは何でしょう?
私は屋敷に帰ると両親に柚瑠木さんとのお見合いが上手くいったことを伝えました。父も母もそれは喜んで「よくやった、月菜」と褒めていただきました。
「ありがとうございます。お父様、お母様」
私は両親に契約結婚に話をしようか迷いましたが、止めておくことにしました。
きっとこの婚約が契約の上で成り立ったものだとしても、父と母は私に『それも一つの夫婦の形だよ』と、柚瑠木さんとの結婚を進めるでしょうから。
バックの中に入れられたままの、柚留木さんに頂いた契約内容が書かれた数枚の用紙。後でしっかりと確認しなくてはいけません。
父と母の嬉しそうな顔を見て、私も安心して自分の部屋へと戻る事にしました。席を立ち、両親に頭を下げる。
「お父様、お母様。今度こそ上手く相手に気に入られるように私、頑張りますから……」
「ええ、そうして頂戴。相手は二階堂財閥の御曹司、こんないい話は月菜さんには二度と来ないでしょうから」
母の言葉に胸がズキンと痛みます。
そうですね。こんな私にはもったいないお話だとちゃんと分かっています。私にこれ以上失敗することは許されない。
柚瑠木さんがどんな人だろうと、私はあの人と契約結婚をして妻として頑張るしかありません。
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