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「僕はこのまま貴女を寝室に連れて行きたいくらいなんですが、月菜さんは……?」
甘えるように柚瑠木さんにジッと見つめられてますが、これだけは私も譲れません。柚瑠木さんと初めて肌を合わせるのです、少しでも綺麗でいたいと思うのが当たり前で……
「……せめてお風呂に入らせてください。柚瑠木さんが買ってくださった物も今日は使いたいのです」
柚瑠木さんが選んでくれた香りに包まれて、彼に愛されることが出来たらどれだけ幸せでしょうか?
そんな私に柚瑠木さんは優しく微笑みかけて、ドラッグストアの袋から入浴剤とボディクリームを一つずつ取り出しました。
「今夜使うのは僕が選ばせてもらいますね? 月菜さんに選ばせていては、僕が待ちくたびれてバスルームで襲ってしまいそうですから」
柚瑠木さんの言葉の意味がすぐに分からず、ボケッとしている私の手に渡されたローズの入浴剤とクリーム。
……襲う?バスルームで柚瑠木さんが、私を?
そんな場面を想像して茹でだこのように真っ赤になってしまう私。まだこれからお風呂に入るのに、もう逆上せてしまったようになってしまって……
「ゆ、柚瑠木さんはそんな事はしないって分かってますから!」
「さあ、どうでしょう?前から言っていますが僕だって普通に欲求のある男なんですよ、月菜さんは僕を信用しすぎでは?」
それは分かっていますが……やはり柚瑠木さんの綺麗な顔とその台詞がアンバランスで、やけに生々しく聞こえてしまって。そのせいでしょうか、色々はしたない事を想像してしまうんです。
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