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そう言ってくれる柚瑠木さんに私からギュッと抱きつき、彼からのキスを強請るようにのその頬に自分から擦り寄るんです。
柚瑠木さんはそんな私を強く抱きしめた後、彼を欲しがる唇に優しく口付けてくれました。
でも私はもう知っています、柚瑠木さんのキスにはこれよりも激しく情熱的な物があるってことを。今の私は、貴方のその優しくない口付けが欲しいんです。
「もっと……です、柚瑠木さん」
もっと柚瑠木さんの事を感じたくて、深いつながりが欲しくて……私はいつの間にこんなに欲張りになってしまったのでしょうか?
ずっと恋をする事、愛する事は相手に与えるものだと思っていたのに。同じように愛して欲しい、こっちを見て欲しいと気付けば望んでいました。
私に応えてキスを深くしていく柚瑠木さんに、ベッドのシーツの上にそっと押し倒されて……
キスをするために頬に添えられていた柚瑠木さんの手が、耳朶を掠めゆっくりと私の首筋におりていくのを感じます。
それだけの刺激でゾクゾクしてしまうのはどうしてでしょう?普段自分で触れても何ともないのに。
ですが、ふと思い出してしまったんです。こういう時には必ずと言っていいほど……
「あの、柚瑠木さん。スマホが……」
鳴ったらどうしましょう?なんてこの状態で聞くことではないと分かっていましたが、どうしても気になって。
「僕のも月菜さんのも電源を落としています、流石に今夜だけは誰にも邪魔されたくはありませんから」
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