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それを聞いてホッとしてしまう私、柚瑠木さんと同じように私も今夜は二人だけの時間にしたかったんです。それに柚瑠木さんがこんなにも私と一つになる事を望んでくれているのかと、それだけで嬉しくて。
この行為をすれば本当の夫婦と言う事ではないことくらい分かっています。それでも心と身体を互いに求め合い、繋ぐことが出来れば今までとは何かが変わる気がするのです。
「柚瑠木さん、好きです……」
何度口にしたか分からない言葉、だけど今はちゃんと彼の心に届くことを知っているから。ベッドに仰向けにされたまま、柚瑠木さんに首へと腕を回します。
だけど、柚瑠木さんはそんな私の手首を掴まえると顔の横のシーツへと押し付けました。
「僕も好きですよ、月菜さん……ですが、このままでは貴女に触れられない」
言葉とともに落ちてくる優しいキスの雨、頬に額に……そして鼻先にまで。でもゆっくりと場所を変えるキスが首筋に落ち始めるとくすぐったくて、思わず首を竦めてしまいそうになります。
「逃げちゃ駄目ですよ、僕の想いを全部受け止めて……」
そう言われてしまえば、私は柚瑠木さんのキス一つからも逃れることが出来なくて。くすぐったさを我慢すれば、彼が触れた場所が熱を持つのが分かります。
そのうち段々と身体の奥からじんわりと熱くなってくるような不思議な感覚が生まれてきて……
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