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『はじめまして、月菜さん。私は千夏、こんなんだけど一応二階堂の血を引いてるらしいわ」
「千夏さん、はじめまして! 私は柚瑠木さんの妻の月菜です。あの、もしかしてこのヘアアクセサリーは千夏さんが……?」
ハキハキとした口調の千夏さん、だけど何か引っかかるようなその言い方にもしかして彼女はあまり二階堂の名を好きではないのかと感じました。
『ええ、柚瑠木兄さんから頼まれてね。聞いた話から月菜さんをイメージして作ってみたの、早速付けてくれて嬉しいわ』
「そうだったんですか、柚瑠木さんがわざわざ頼んで……」
思わず柚瑠木さんを見上げると、彼は照れ臭そうに口元を手で隠してました。そんな柚瑠木さんに胸がキュンとしてしまうのは仕方ないですよね?
『そう、こっちはイメージが聞きたいのに柚瑠木兄さんは惚気ばかりで全然話が進まないから困ったのよ? 気に入ってくれたかしら』
「はい! どちらも私は凄く素敵だと思いました。千夏さん、今度私にも作り方を教えてもらえませんか?」
柚瑠木さんが私の為に何がいいのか考えてくれたことも、千夏さんが私を想像して作ってくれたことも嬉しかったんです。
私は千夏さんともっとお話ししたい気持ちもあって、そうお願いしてみたのです。
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