番外編 貴方と過ごせる時間だから

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「い、いいです! 私はちゃんと自分で洗えますから」  いつも通り柚瑠木(ゆるぎ)さんの背中を流して、今度は自分の身体を洗おうとすると彼にボディースポンジを奪われて……  そのままにっこりと微笑えんだ柚瑠木さんは、ボディーソープを手に取りそのまま私の背中に泡を広げ始めてしまいます。 「だ、だめです。またそうやって……っ」  こういう時に意地悪になる柚瑠木さんは、わざと私が恥ずかしがるような事をするんです。今だって彼は私から奪い取ったボディースポンジではなく、その大きな手で私の身体に触れているのですから。  敏感な場所を掠めるように触れられて、そのたびにビクビクと身体が震えてしまうのを柚瑠木さんは楽しんでるんでしょう? 「どうして? シャワーを浴びたいって言ったのは月菜さんでしょう。今日は僕が隅々まで綺麗にしてあげますから」 「や、柚瑠木さ……んんっ!」 「もっと、月菜(つきな)さんの甘い声を聴かせて?」  後ろから腰回りに腕をまわされて、耳朶を甘噛みされてゾクゾクゾクと身体の奥から痺れてくるようです。耳も首筋もそして彼の唇がなぞる背筋も、全部全部柚瑠木さんが私に教えた特別な場所。  結局……柚瑠木さんが私をバスタブに入れてくれたのは、散々遊ばれてヘロヘロになりかけた頃でした。
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