番外編 新しい出会いは必然で 前変

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「こんな所にまで来てくれてありがとう、私が二階堂(にがいどう) 千夏(ちなつ)。さっきの憎たらしい爺の娘らしいわ」  柚瑠木(ゆるぎ)さんの叔父様の……? ですが前に家族を紹介された時に千夏さんの事は聞いた覚えがありません。彼女にこの言い方も気になりますが、そこはグッと我慢です。 「こうして会うことが出来て嬉しいです。私は柚瑠木さんの妻の月菜(つきな)と言います、この前は素敵なヘアアクセをありがとうございました」  ぺこりと頭を下げようとすると、すぐに差し出された日に焼けていない右手。思わず顔を上げ千夏さんを見ると…… 「仲良くしましょうの挨拶なら、こっちがいいのよね私は」  ニッコリと微笑んで私の手をギュッと握って来た千夏さん、引きこもりだと聞いていたのに意外と強引な彼女に驚いてしまいます。  「嬉しいのは分かりますが、あまりぐいぐい迫ると逃げられますよ? 千夏は昔からそういうところが極端で……」 「分かってるってば、柚瑠木兄さん! もう自分の妻に過保護すぎるんじゃないの? ねえ、握手くらいいいわよね月菜さん」  私を千夏さんから離そうとする柚瑠木さんと、私の目を見て甘えるように手を握り続ける千夏さん。全く正反対の性格だと思うのに、どうして二人は私の取り合いをしてるようになっているのでしょうか?
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