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私は部屋に入ると机に向かい、バックから柚瑠木さんから渡された契約書を開きました。これはもしかして柚瑠木さんがご自分で書かれたのでしょうか?
綺麗な文字で丁寧に書かれた契約書、柚瑠木さんが私と真剣に向き合ってくれてこの話を提案してくれたということが分かりました。
「きっと見た目通り、真面目な方なのでしょうね。」
契約書に目を通す。丁寧に書かれたうちの幾つかは普通の夫婦でも当たり前の事でしたが、そうでは無いものもいくつかありました。
例えば……
6.結婚してもお互い相手に特別な感情を持たない努力をする。
7.相手に特別な感情をもっても、伝えてはならない。
8.夫婦生活は必要に応じて行うこととする。
9.決して離婚や別居はしない事。
結婚するのに相手を好きにはなってはいけないとはどういうことなのでしょうか?ほとんどの方は恋をし愛し合い夫婦になるものだと私は思っていたのです。
契約結婚とはいえ、私は柚瑠木さんのことを愛する努力をしようと思っていたのですが……
それに夫婦生活も必要に応じてという事は、どういう事でしょうか?
柚瑠木さんがそれを決められるというのなら、私は従うしかありませんが詳しいことは書いてありませんでした。
私はもう一度契約書を読み直すと、そっと机の引き出しへと仕舞いました。
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