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その後私達は大きな手芸用品店に行き、たくさんの裁縫道具や裁縫材料に目をキラキラと輝かせている千夏さんとあちこち見て回ったりしました。
並んだミシンを見て新しいのが欲しいと呟く千夏さんに、柚瑠木さんは「次にここに来た時には買ってあげますよ」なんて約束をしてみたり。戸惑いながらも「本当に? 約束よ、柚瑠木兄さん」と答える千夏さんも、少しずつ前向きになっているのを感じました。
その後は人気のアイスクリーム店で好きなアイスを選んで乗っけてみたり、千夏さんは三段重ねに挑戦してとても喜んでいて。
まるで子供のようにはしゃぐ千夏さんを見て、やはり家に引き籠っているなんて彼女には似合わないと感じていました。
「今日はありがとうね、柚瑠木兄さんも月菜さんも。凄く楽しくていい思い出が出来たわ」
帰り道の車の中、私と交換したアクセサリーを手にして千夏さんはそう言いました。まるで、その言い方だと次は無いという風に聞こえて……
「会えばいくらでも思い出は作れます、これを最後にしてしまうような言い方はしないでください」
あんなに楽しそうな顔をしていたのに、どうしてこうも外に出ることに消極的なんでしょうか? 千夏さんはただ困ったように瞳を彷徨わせています。
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