6728人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうですか、赤ちゃんの成長は? 香津美さんのお腹はもう膨らんできたりしてるんですか?」
電話ではよく話していますが、こうして直接お話をすることが出来て私も杏凛さんも嬉しくてついつい質問ばかりしてしまいます。
だって一番の話題は香津美さんのお腹の中でどんどん成長している赤ちゃんのことなんですから。
「ええ、お陰様で順調よ。聖壱さんの過保護っぷりにも磨きがかかっているしね」
そう言って少し離れた席に座る聖壱さん達を見て、私達は顔を見合わせて笑ってみたり。
「笑っていられるのも今のうちよ? 月菜さんや杏凛さんが妊娠した時に柚瑠木さんや匡介さんがどうなるかが楽しみだわ」
ふふふ、と悪戯っぽい笑みを浮かべる香津美さん、そういうところはお母さんになっても変わらないんですんね。
「そうですね、ですが赤ちゃんを授かった時に柚瑠木さんが私の事を心配してくれるのは嬉しい事なので……」
今でも柚瑠木さんは過保護な夫になりましたが、その事を嫌だと感じた事など有りません。そんなにも想われて大事にされているのだと喜んでしまいましたから。
ですが、誰でもがそうでない事もあって……
「私は……その、これ以上は困ってしまうというか。いえ、私が妊娠するようなことはあり得ないんですけど……」
香津美さんの言葉に困ったように答える杏凛さん、彼女と匡介さんにはまだいろんな問題があり子供の事を考えれるような状況では無いようです。
最初のコメントを投稿しよう!