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「そうなのね! 私も実は結婚式はまだなの、聖壱さんに強引に記念写真だけ撮りに連れて行かれたけど」
香津美さんは瞳をキラキラさせて渡したパンフレットを見つめています、きっと本当は彼女も結婚式に憧れがあるのでしょう。
私だけ先に結婚式をするのは少し申し訳ない気もしますが……
「楽しみですね、私の時は匡介さんの仕事の繫がりの方ばかりで窮屈なだけでした。月菜と柚瑠木さんの式はきっと素敵でしょう」
杏凛さんはそう言って笑っていますが、匡介さんが彼女の事を考えずにそんな式を挙げたことは少し不思議でした。
香津美さんも同じように思ったのか、少し考えている様子でしたがすぐに笑ってみせると……
「私も出産してある程度落ち着いたら式を挙げたいわ、二人ともその時はよろしくね?」
「もちろんです、聖壱さんと香津美さんの式も楽しみにしてますね!」
私達はその話で大いに盛り上がり、結局私のダイエットについても洗いざらい喋らされてからの解散となりました。
なんとかマリトッツォの誘惑には打ち勝つことが出来ましたが。
「ずいぶん女性陣は盛り上がっていたようですね。あまりに楽しそうだったので帰る時間だと言えず、鏡谷 匡介が ソワソワしていましたよ」
「す、すみません! みんなで結婚式の話に夢中になってしまって……」
レジデンスへの帰り道、今日の会話の内容を知られたくない部分は誤魔化してサラリと話します。
大丈夫、結婚式の話でダイエットの事は男性の柚瑠木さんには思いつかないはず!
そう思ってたのに……
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