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「とても綺麗です、このまま月菜さんをこの部屋に閉じ込めてしまったら怒られるでしょうか?」
真面目な顔でそんな事を話す柚瑠木さん、思わず笑ってしまいそうになるんです。冗談は止めて下さい、というと僕は本気です、なんて。
「月菜さん、あの日のやり直しをさせてもらっていいですか?」
突然言われて、何のことか分からずキョトンと柚瑠木さんの顔を見つめました。すると彼は私を真っ直ぐに見つめ返してから……
「十条 月菜さんですね。僕の名前は二階堂 柚瑠木と言います。」
「ええ?」
「いきなりですみません、僕と恋愛結婚をしてくれませんか?」
それは初めて柚瑠木さんに出会った時の台詞で、ですがその中でたった一つ違いがあって……
始めの時とは形を変えた私たちの結婚、柚瑠木さんと私の関係……それを彼はちゃんと言葉にしてくれたんです。
私の返事なんて最初から決まってますよ、柚瑠木さん。
「もちろん、喜んで!」
彼の腕に優しく抱かれて。これからの未来を貴方と一緒に迎えるのだと心から幸せを感じながら、本当に素晴らしい結婚式を行うことが出来たのでした。
ちなみに私が投げたブーケは予想外の場所へと飛んでいき、少し離れた場所に立っていた千夏さんがゲットしたのでした。
これから何かが起きそうで、ちょっとだけワクワクしてしまったのは千夏さんには内緒です。
—END—
2021/06/19 花吹
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