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歩き出した柚瑠木さんの後を追ってレジデンスの中へと入ると、そこは高級ホテルのように煌びやかでした。
思わず周りをキョロキョロと見てしまいます。
私も十条コーポレーションの社長の娘としていろんな所を見てきましが、ここは本当に華やかな場所。
地味な私がまさかこんな場所で暮らすことになるなんて……
「どうですか、月菜さん。少しは気に入ってもらえましたか?」
「は、はいっ、とても。」
「2人の新居については、僕に任せてください」と言われたので、柚瑠木さんにお任せしていたのですが……まさか、こんな贅沢な場所に住む事になるなんて思ってもいなかったんです。
部屋の中は広くてとても住みやすそうです。すぐに生活出来るよう、家具等は既に設置されていました。
「月菜さんが気に入らないものがあれば言ってください、すぐに取り換えさせますから。」
「いいえ、私はこれで十分です。」
柚瑠木さんは無表情で頷くと、奥の部屋の一つのドアを開きました。
「この部屋は月菜さんの好きに使っていただいて結構です。ベッドやテレビ、チェストなどは既に設置しています。」
シングルのベットがこの部屋には一つだけ、という事は柚瑠木さんはどうするのでしょうか?
そう思って柚瑠木さんを見上げると、彼は静かに頷ずいて隣のドアを開けて……
「こちらが寝室です、普段は僕がこちらで眠ります。月菜さんには僕がこの部屋に呼んだ時だけ来ていただきたいんです。」
え、それってどういう事ですか――――?
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