小説家は食えない

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 .....待てよ、こんな気持ち過去にも経験したことがある。そう国家資格・行政書士の勉強の時とまったく同じ感情だ。行政書士と小説家が彼の中でリンクした。  行政書士の勉強を始めた時もそうだった。  フリーターである自分の現状を打破したい。その一念で闇雲に行政書士試験合格へ向けて勉強を始めたのだが、その時も今と同じ疑問が湧いて来た。  「果たして行政書士になったところで食えるのだろうか」  まったくその時と同じ疑問だ。  結局行政書士では食って行けなかった。ただ行政書士試験に受かりました、有資格者ですと言う人生の肩書き程度の結果に終わった。小説家を目指す今も同じ疑問が湧き、結局食えないと言う同じ結末にはなりやしないだろうか。  一度湧いた疑問は彼を憔悴させ、たまらなく不安にさせた。
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