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明日の夕方には、東京に帰らないといけないから
行きたいとこは健ちゃんと決めていた。
絶対行きたかったのは
歌にも出てくる『太陽の塔』
大阪に行くことがあったら見たいと思ってた。
また御堂筋線に乗って、新大阪を超えて
万博記念公園最寄りの駅へ向かう。
公園は広すぎて
とても回り切れないから
目的の『太陽の塔』だけ見に行った。
「これかぁ……」
ちょっと感慨深くて
塔を見上げてたら
「歌の影響受け過ぎやん」
健ちゃんは笑う。
「だって、私達みたいじゃん」
新幹線に乗って
大阪の恋人に会いに行く私。
歌のようなこなれた恋人同士には
まだまだ到達してないけど……さ。
健ちゃんは笑って肩を抱き寄せて
「オレ達はちゃうよ」
「……なんで? 」
「なんでも」
「なんでもじゃ分かんないでしょ」
意味なく笑い合う
そんな今も幸せ感じてる。
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