362人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
『太陽の塔』をクリアした私達は
また御堂筋線に乗り、なんばまで。
大阪と言えば道頓堀。
二人の初めてのクリスマスイブに
ここでご飯なんて、きっとなかなかチョイスしないよね。
でも敢えてここを選んだのは
やっぱり大阪の街を見たかったし
私と健ちゃんにはキラキライルミネーションより、こっちが似合うと思ったから。
賑わう街
すれ違う人はみんな楽しげで
そこを二人で歩くとワクワクする。
．
健ちゃんのお気に入りの
お好み焼き屋さんでクリスマスイブのディナー。
健ちゃんはテーブルの鉄板で
器用にお好み焼きを焼く。
焼き肉の時と同じように
私の分を先に焼いてくれるのを
見つめてた。
「健ちゃんて器用なんだね」
「今頃気付いたん？ 」
「それに……優しい」
そう言ったら、一瞬手を止めて
また手を動かす。
ふふ、照れてる。
分かりやすい反応をした後
手を動かしつつ私を見て
「それ今気付くとかおかしいやろ」
「ずっと前から知ってるよ」
「それならよろしい」
健ちゃんの笑った顔
ずっとこうして見ていたいのに
楽しい時ほど時間は早く過ぎて
瞬きさえするのも勿体無い。
明日の今頃
私はもう東京にいるんだ。
……今度はいつ会える？
聞きたいけど聞けなくて
時間だけがどんどん過ぎて行く。
最初のコメントを投稿しよう！