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それから、琉偉くんは、その女の子と付き合い始めた。
琉偉くんを我が子とも思ってる母は、当然のように提案する。
「おばさんも、その琉偉くんの彼女、会いたいわ。ねぇ、琉偉くん、今度、その彼女、連れてらっしゃいよ。うちで一緒にお食事しましょ? おばさん、腕によりをかけて、お料理するから」
えっ!
私は、琉偉くんの彼女を見たいような、見たくないような、不思議な気持ちだった。
けれど、琉偉くんは、やはりいつもの爽やかな笑顔で、
「はい。今度、聞いておきます」
と答える。
一方、私と彼の間は、最悪だった。
会えば、けんかばかり。
それも些細なことで。
お互いに、八つ当たりを繰り返す。
もう、彼のこと好きじゃない。
あんなに好きだったのに、なんでそう思うのか分からないけど、でも、一緒にいたいと思えなくなっていた。
別れた方がいいのかな……
そう思ってたら、彼から切り出された。
「俺たち、もう、無理だろ? 別れよう」
私は、黙ってうなずいて、そのままさよならをした。
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