年下の君を好きになっちゃダメだから……

5/11
前へ
/11ページ
次へ
それから、琉偉くんは、その女の子と付き合い始めた。 琉偉くんを我が子とも思ってる母は、当然のように提案する。 「おばさんも、その琉偉くんの彼女、会いたいわ。ねぇ、琉偉くん、今度、その彼女、連れてらっしゃいよ。うちで一緒にお食事しましょ? おばさん、腕によりをかけて、お料理するから」 えっ! 私は、琉偉くんの彼女を見たいような、見たくないような、不思議な気持ちだった。 けれど、琉偉くんは、やはりいつもの爽やかな笑顔で、 「はい。今度、聞いておきます」 と答える。 一方、私と彼の間は、最悪だった。 会えば、けんかばかり。 それも些細なことで。 お互いに、八つ当たりを繰り返す。 もう、彼のこと好きじゃない。 あんなに好きだったのに、なんでそう思うのか分からないけど、でも、一緒にいたいと思えなくなっていた。 別れた方がいいのかな…… そう思ってたら、彼から切り出された。 「俺たち、もう、無理だろ? 別れよう」 私は、黙ってうなずいて、そのままさよならをした。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

197人が本棚に入れています
本棚に追加