episode1.勘違

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◆  ◆  ◆  ◆  ◆  弟のいる病院に行く途中にある、その大通りを通っている時。ふと『違和感』を覚えた。 「??」  いつもであれば、この時間帯は自転車に乗った人やちょっとした散歩をしているご老人や小さい子供を連れた親たちが行きかっているはずだ。  しかも、今日はあまり暑くもなく、なおかつ雲もあまりなく、雨が降る心配もない。つまり、非常にいい散歩日和なのにも関わらず、人がほとんどいないのである。 「なんかイベントでもあってみんな早めに出ているのか?」  確かに『文化祭』とか『体育際』がある日はこんな事もあるが……。  そんな違和感を抱えたまま、歩き続け行くと……そのまま『田崎総合病院』と横に書かれた看板が目に入った。  この『田崎総合病院』は、昔からこの場所にあったのだが、ここ最近改築して建物が新しくなり、看板も真新しくなっていた。  そして、この病院は住宅街を抜けてすぐという場所もあってか、この住宅街のほとんどの人が利用していた。  しかも『総合』と書かれているだけあって、ここでは皮膚科や耳鼻科などの診療だけなく、手術やリハビリも出来、入院も出来る。  この近くには保育園や学校もいくつか点在していて、実はあの『爆発事故』があった学校もこの近くだった。 「それが何か関係しているのか? おっと、そうだった」  そういえば、病院に入る前に連絡を入れる……という事を忘れていた俺は、すぐにスマートフォンで「そろそろ着く」と弟に連絡を入れた。 「よしっ」  キチンと送れた事を確認した後、病院に入った。
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